甘党
御剣 叢雲
叢雲はお萩を食べていた。その行為には問題は無いのだがその数が異常だった。
「ん…もう一個…」
「叢雲ちゃん…何個食べるつもり?」
左手にまだ食べていないお萩を持ったまま叢雲はお萩の山に右手を伸ばし、その中から大きめの一個を手に取った。
「え?え〜と…今で何個目だっけ?」
「ちょ〜ど20個目…よくそんなに食べれるわね…」
「むぐ……私、甘いもの好きですから」
「あのねえ…」
お萩を飲み込み、茶を飲みながらにこにこと喋る叢雲を見て緋和の胃はいつも通りキリキリと痛むのだった。
「さ〜て、前線出るよ〜!!」
『おおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!』
部隊のある意味たくましい面々を前に叢雲がお萩を持ったままの手をかざして大声を出す。シンパの皆様も今まで工作だけだったからか気合が入っているようにも感じられる。
「とりあえずココを破られたらやばいみたいだから…」
叢雲の言葉に場が少し緊張する。
「あとはど〜すんの?」
相変わらずの叢雲に胃を痛めているのは緋和だけではなかった。
「んで…移動するのはいいんですけど…このお萩…どうするんですか…?」
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