再会

語り手エリー

「(遅くなってしまいましたね。)」
パンドラは兵舎に向かって疾走していた。
市場の改装は思ったより遙かに時間がかかった。
既に日は暮れており、人通りも少なくなっている。

「遅いぞ」
部屋に入るなり文句が飛んできた。
何時間も待たせた訳だから当然だが。
「お久しぶりです。」
そう言ってパンドラが頭を下げる。
「ああ、久しぶりだな」
来客が応じる。
素気ない返事だが、一応律儀に応じてくる。
「(変わらないですね。そういう所は)」

「で、ガグ・・・・・・」
「その呼び方をされると実感が湧いてくるな。
久しぶりにおまえと話している事の・・・・・
そのセンスの欠片も無さそうな略称で呼ばれるとな」
いきなり割り込んでくる。
嫌みにも聞こえるが、悪意は感じない。
一応再会を喜ぶ一環と見ていいだろう。

知人の名は「ガグ」という。
一般には「ガムルデューグ」と呼ぶのが正しい。
正確にはもっと長い本名の一部であるらしい。
私もその全ては知らない。
様々な要素を盛り込まれた「本名」はとてつもなく長いからだ。
本名で呼びたいのだが、なかなか教えてくれない。
断片を少しずつなら時々教えてくれるが、焼け石に水だ。
その僅かな情報を繋げていってもまだ到底完成しない。
よって本名で呼ぶことは既に諦めている。
故に、「ガムルデューグ」と呼ぶ。
だが、長いと面倒だったりすることがある。
親しさの表現の為にも短い愛称を(私が)考えた。
それが「ガグ」である。
今では、結構多くの人が「ガグ」と呼ぶ。
本人からは不満は出ていないので問題はないのだろう。
実際、私が呼んだ時は悪い顔をしないのだから。

「取り敢えず、夕食でも作りますか。何が良いですか?」
「出来る中でなるべく上手いモノ・・・・豪勢ではなくていい」
「了解です。こうして再会出来たお祝いです。
腕によりを掛けて作りますから期待して待ってて下さい。」
すぐに料理に取りかかる。
その言葉通り、その日の夕食はかなりの出来映えだった。

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PL:更な感じですがこれ載せないと進まないので
   ……………出来が悪いなぁ
   もっと使えるキャラなのに何でこんなSSになってしまうのか


(2002.11.19)


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