モンキー・ラヴ・ダンス（iii）

アオヌマシズマ

「なに書いてんの？オメー」

不意に後ろから声がかかる。

　『・・・またか』

心底ウンザリした様子で「彼」は呟いた。そして…
気付かない振りをし、そのままノートに向かい続ける。

　「シカトすんじゃネーよ。見せてみろって、オイ」

　「！！！　や、やめろ。返せよッ！！！」

　「・・・うへーーー
　　相変わらずキッショい奴だなオイ。
　　お前ずーっとこんなモン書いてるわけー？」

少年が「彼」から取り上げたノートを見ながら声をあげる。
するとそれを聞きつけたクラスの別の少年達・・・
昔から群れて凄し、士官学校に入ってからは
適当なスポーツ愛好会の様なサークルに入って
合コンしまくりッス、犯りまくりッス、ウッス！
という感じの腕力のあり余ってそうな茶髪のお兄さん軍団（長）
がぞくぞくと「彼」の机の周りに集まって来た。


「彼」のノートには
まるで幼児のような肢体の美少女のイラストと
予定調和のお涙頂戴ストーリー・・・
主人公が、一晩かけてひとりの純情な少女と結ばれてハッピーエンドを迎える。
【エンティングテーマ・星空のメヌエット
（自作。ヴォーカルには勿論彼の崇拝するアイドル声優を起用。脳内で。）】

といった類の漫画が延々と綴られていた。


　『・・・終わった』

「彼」は再び呟き・・・運命を享受した。
この場において「彼」すなわち「弱者」に
残された最後の手段は「俯いて耐える」以外に無いのである。

今日も「彼」へのイジメ祭り　in　 ラグライナが始まる。


　　　　　　　　　　つづく

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　　　　　　　　　　　　・
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　　　　　　　　　　　　・

シズマ　「・・・スケキヨーーーー！！！
　　　　　タバコとってこーーーい！！！
　　　　　この雌豚が！！

スケキヨ「イエッサァーー！！
　　　　　只今ッ


　　　　　【モンレッド陣中。　in 　１５２３】