モンキー・ラヴ・ダンス(xvi)
アオヌマシズマ
『傷の舐めあい』『恋愛ゴッコ』
どう呼ぼうとあんたらの勝手さ。
ただ、俺は、道連れが欲しかったんだ。
もんきー・らぶ・だんす16
『空転する使命感』
沈黙。
心地よい沈黙。
『互い』を見せ合った2人は
身を寄せ合い、ベッドに腰掛けていた。
なんとなくそんな雰囲気になっちゃった。
状況は、まさにそんな感じ。
「・・・あったかい」
感想、そのまんまなスケキヨ君。
なんだかよく解らないけど
千載一遇のチャンスが到来している。
ここでなにかしらやんなきゃ
多分、生涯駄目だ。
強迫観念にも似た『何か』が彼を突き動かした。
「き、キス・・・とか、し、し、しようか」
自分が何を口走っているのか解らない。
血迷ったか?普段の彼からすれば有り得ない行動。
希薄な現実感・・・奇妙な空間だった。
だからこそ、抵抗無く言えてしまったのかもしれない。
笑い話である。けれど、本人は至って大真面目。嗚呼青春。
『あああぁ、なに言ってんだ俺は。
馬鹿馬鹿馬鹿。どーすんだよ。とりかえしつかねー!!』
言い終えてからの激しい葛藤。
・・・が、もう遅い。後の祭り。アフター・カーニバル(謎)
事態は『ブレーキが壊れたトロッコ』。
そう、あとは進むだけ。もう止まらない。
スケキヨにとって完全なる『未知の領域』への突入だ。
星空のメヌエットとは訳が違う。
「な、なに言ってんだかなー・・・」
「・・・・・・」
再び訪れる沈黙。
なんか、このまま時間止まっちゃってもいーかもしんない。
月並みだが…そう思った。
だが、いつまでもこうして居る訳にもいかない。
どうしよう。っていうかエラヴェ的にはどうしたいんだろう?
エ・ラヴェールはじっと俯いたままだ。
すなわちこれは…
ま、待ってる。
待ってるぞ。
敵(?)は、俺から行くのを待ってんだ。
ど、どど、どーする。行くしかないだろ。ここは。
こんなとこまで女にリードさせてどうする?
ここで行かなきゃマジ、人間失格ですよ奥さん!!
な、なにをすればいい? ・・・んなの決まってんだろうが!!
でもどうすりゃいい? 手順と方法? セッティング?
・・・わかるわけねぇし。
ほ、星空のメヌエット? ああ、もういいってそれは!!
こう言うときはだな。愛だよ、愛!!
そうだよ。イワンじゃあないが
愛があれば世の中全て許されるんだよ。(注:決してそんな事はありません)
技術なんざクソ喰らえだ。愛で全てカバーだね!
ああくそ、あったま来た。ヤケだよ!! 適当だよ!!
なる様になれってんだ!!
さっさと押し倒せよ。無能が。
後の上官、アオヌマシズマがその場に居ればこう言っていたであろう。
長い長い葛藤が終わり、そして・・・
つづく
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