モンキー・ラヴ・ダンス(xix)
アオヌマシズマ
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LIVE IN カルカシア
[M]onkey − LOve − Dance
モ ン キ ー ラ ヴ ダ ン ス
open/start 18:30/19:00
当日G1,500 ドリンク代別
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久々に登場の少年イワン。
手にした一枚のチケットを見やり
「ライヴ・・・ね」
ぼそりと一言。
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一 週 間 前
なんだかんだあったが、スケキヨら第21期生は
めでたく卒業の日を迎えていた。
式も滞りなく終了し・・・
「・・・終わった。
と、とと、とうとう学生生活、終わっちゃった」
深い虚無に襲われた少年イワンがそこに。
周りには
泣きじゃくる偽善女子生徒共
互いの友情を確かめ合うヤツ
テンション上がりすぎて、メーターふりきっちゃってるヤツ
とにかく馬鹿騒ぎする連中(←ちなみにスケキヨはこの中に含まれていた)
卒業証書でチャンバラやってる奴
上着を脱いで噴水にダイブする漢
・・・ETC ETC
様々な思い出達が、浮かんでは消えていく。
数年間共に過ごした友との別れ、そして新たな旅立ち。
各々がこの『卒業』という瞬間に特別な想いを抱いていた事だろう。
「・・・なんの感慨も沸いて来ないんですけど」byイワン
これまでの学生生活を思い出してみる。
鞄に犬の糞を入れられました。
ロッカーに閉じ込められました。
カバンを捨てられました。
蹴られました。
顔に唾を吐かれました。
運動会で晒し者にされました。
隣のクラスの女子にさえ『うわ、キショッ』と言われました。
『オタク野郎。お前に存在価値ねーんだよ。うひゃひゃ』
概ね、そんな意味合いの事を言われ続けました。毎日。集団で。
修学旅行等、グループ分けの際は必ずボキが余りました。
周りの方々が、恋に、部活に、セックスにと大忙しの中
ボキは学校と寮の往復だけで精一杯(精神的にも肉体的にも)
家に引き篭もって、本(勿論一般の方々がヒく様な代物ばかり)を読み漁り
『ボキは知識がある。アイツラが絶対読まない様な本を読んでいるから。
だから大丈夫。アイツラみたいなクダラナイ人間とは違うんだ
ボキは特別なんだ』
とまぁ、かなり無理矢理『自らの存在意義の確立』を図っていました。
無駄な豆知識だけが唯一絶対の財産。
まぁ、無駄骨もいいとこなんですけどね。実際。
何かを得るどころか、逆に『失い続けた』学生生活。
後に残されたのは・・・将来への不安。絶望。虚無。自己嫌悪。無為。
「・・・・・・(。□。)」
少年イワンは、かなりテンパっていた。
つづく
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