モンキー・ラヴ・ダンス(xx)
アオヌマシズマ
前回までのあらすじ
長かった学生生活も、いよいよ終わりだ。
卒業式会場にて『素晴らしき思い出達』と『押し寄せる現実』
のダブルパンチにより、放心状態のイワンであったが…?
連続TV小説『モンキー・ラヴ・ダンス』
第20回
「サバじゃねぇ!!」の巻
立ち尽くす少年イワン・・・
そこへ『過去の盟友』スケキヨが声を掛けてきた。
「どうしたん。いつにも増して暗いな?」
「な、なんだい君か・・・
な、な、何か用かい。君とボキは既に違う世界の住人なんだよ。
こんなのと会話するとママにしかられまちゅよ。ウケケ」
「まぁいいや。俺がエラヴェ達とバンド組んでんの知ってるよな?」
「そ、それがどうかしたのかい」
「で、今度さぁ、カルカシアでライヴやれる事になったんだよ」
「ふ、ふーん…」
「まぁ、卒業記念ってとこだ。やるよ。お前にだけは来て欲しいんだ」
「な、なんだい。お情けをかけたつもりかい」
「小さなライヴハウスだから解りにくいかも。場所と日時はそこ書いとくから」
「ちょ、ちょっと待・・・」
と、概ねこんなやりとりが交わされ・・・
少年イワンに一枚のチケットが手渡された。
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LIVE IN カルカシア
[M]onkey − LOve − Dance
モ ン キ ー ラ ヴ ダ ン ス
open/start 18:30/19:00
当日G1,500 ドリンク代別
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「ライヴ・・・ね」
ぼそり、と呟くイワン。
「スケキヨ〜、用事済んだ?」
「んあ」
「みんな待ってるよ。打ち上げ、行こう!」
「おう。了解了解」
盟友改め、逆賊スケキヨに駆け寄ってきたのは、文学不良少女エ・ラヴェール。
「・・・・・・・( ==)」
糞童貞少年イワン君は、自分の無能ぶりを棚に上げ
女性に対し、あれこれと妙な神聖さを求めた。
♂の本能? 独占欲の強さ? 違うね。理由は至ってシンプルだ。
『オンナを知らないから』
実態がわからない。だから幻想を抱く。簡単でしょ?
故に、彼にとって非処女とはこれ即ち売女に分類されていた。
男性経験のある女は、漏れなく汚らわしい存在、というわけ。
まぁそんなこんなで、彼はこの少女が大嫌いであり・・・恐怖の対象でもあった。
「つーわけで、俺はもう行くよ。またなイワン。ライヴ来てく・・・」
スケキヨが振り向いた時、そこに少年イワンの姿は無かった。
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「はぁ、はぁ、はぁ……
ライヴか。いいだろ。い、行ってやろうじゃないか。
凡人共のクダラナイ馬鹿騒ぎ、とくと見物させて貰うよ。
しょ、勝負だ、スケキヨ!!」
↑注:エラヴェが来たのでソッコー逃げたイワン。
つづく
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