シチルにて〜お萩戦争〜 続編「礼状(仮)」

語り手エリー

タコ殴り大会終了後

天幕の中ではお萩を囲んで御茶会の用意が進んでいた。
丁度「10時のおやつ」(パンドラ談、何の事かは不明)に良い時間らしい。

パンドラが茶を入れている。
その手つきは淀みなく、瞬く間に全員分を用意する。
「御茶が入りました〜。」
そう言って、野外に急遽設置された御茶会スペースに茶を運ぶ。
「わざわざすみません将軍。」
兵士の一人が応じる。

タコ殴り終了後、両者の間は概ね良好であった。
所謂「雨降って、地固まる」だろう。 使い方を激しく間違っている気がしないでもないが。
ちなみにパンドラ自ら茶を入れる事については皆が反対したが、
「私より美味しく入れられる自信がある人居ますか? マズイ茶は嫌ですよ。」
の一言により一蹴された。
兵士達もどうせなら上手い茶が飲みたいしく、それ以上は反対しなかった。

「今日の御茶はちょっと違いますよ。」
「どこら辺が違うので? 茶には疎い物で」
実際置かれた茶は普通の外見をしている。
「私が余暇を使って(仕事をサボって)自ら栽培した特製です。
更にはある種の香草や薬草を混ぜ込んであります。」
胸を張ってパンドラが言う。
兵士達の半数は感嘆したが、残り半分は疑問を覚えた。
「それは・・・・・・・・・、ちゃんとした茶なんですか?」
「知らない。味見も兼ねて飲んで欲しい。
一応、副作用とかは無い。私自身の味見では美味しかった。」
不安な一言を放つ。
もう一度タコ殴り大会が始まりそうな微妙な雰囲気の中で御茶会が始まる。

結城沙耶殿

この度は数多くの美味しいお萩をありがとうございました。
兵士達共々美味しく頂きました。
出来れば何時か作り方を御教授願いたい。
私の作るお萩ではあの味は出せませんので。
それでは失礼します。

パンドラ


(2002.10.08)


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