第3回座談会 4月1日の魔術師(以下「聞き手」):全国2000万人のゲームファンと1000万人のRPGファンの皆様、こんにちわ。「隠しボス座談会」のお時間がやってまいりました。ここでは、過去のRPGに登場した……って、説明は前々回を御覧頂ければ十分ですね? 第3回目ですが、当初は「創造神トライア」関連の5作品(『テイルズ』シリーズと『SO』『VP』)を取り上げる予定でしたが、作者の気が変わったので(^^;)、先に『WILD ARMS』シリーズの隠しボスの座談会から参りたいと考えております。で、本日お呼びするゲストですが…… アンゴルモア:ふあああ…… 聞き手:あ、あの…… アンゴルモア:……ん? ああ、もう始まっておったのか。 聞き手:はい。本日はお忙しい中をお越し頂きまして── アンゴルモア:いや、それには及ばぬ。退屈しておったからな。どこぞのガキンチョが下手な歌を聞かせて余を起こしたせいで、退屈して仕方が無いのだよ。そのガキンチョはもう捻り潰した後だがな。 聞き手:はあ……そうですか……。では、世界征服のほうは……? アンゴルモア:今は余の気が進まぬ。気が向いた時にボチボチ始めようと考えておる。まあ、100年か200年先になりそうなので、そなたは安心するが良い。 聞き手:そ、そうですか……(やる気の無い魔王だな……)。 アンゴルモア:それで、もう1人のゲストはどうなっているのかね? 聞き手:えーと、こちらの方ですね。 トカ:我輩の論理的で洗練された話を聞きたいとは何と殊勝な心掛けであろうか。 ゲー:げっげー。 トカ:この科学の申し子である我輩が、鱗の無いそなたらの目から鱗を落としてさし上げましょうぞ! ゲー:げっげげげっげげー♪ 聞き手・アンゴルモア:…………………… アンゴルモア:隠しボスでもないし、しかも色物なキャラではないか? トカ:な……い、色物ですかぁ!? この我輩、恐れ多くも、かのブルコギドンを作りまして、現代の夢に飢えたカワイイ子供達に夢と希望を与えたはず── アンゴルモア:あれはもう壊されたと聞いておるぞ。 トカ:…………(硬直) 聞き手:あのう……そろそろ始めませんでしょうか? アンゴルモア:ふむ、そうであるな。そこで冬眠状態の蜥蜴のように硬直しておる怪物は無視して、早速本題に入ろうかのう……。 トカ:……ああっ! 待って〜〜! ゲー:げげげーー! 聞き手:さて、この『WILD ARMS』シリーズの醍醐味と言えば、ゲーム中に満載された危険なトラップとモンスターですね。 トカ:危険……ああ、何と我輩に似合う美しい言葉……(うっとり) アンゴルモア:(トカを無視して)……確かに、RPGが好きな人間なら、たまらない魅力であったろうな。 トカ:……ああっ……無視されてるぅ〜〜(T_T) アンゴルモア:もう1つの醍醐味であるストーリーの出来映えもさることながら、やはりこのシリーズはモンスターとトラップが最大の魅力だからな。 トカ:げげーげげげー、げっげげーげげー…… ゲー:ふむふむなになに……ほうほう、このゲーが「他にも音楽や素早い操作性など、魅力は満載されている」と申しておりますぞ。 聞き手:……分かるのですか? トカ:ゲーの言葉がですか? それは当然ですな。これぞ同族の強みトカ……。 アンゴルモア:それで話を戻すが、確かにそこが魅力なのも事実のようだな。このサイトの運営者はトラップやモンスター、ストーリーがお気に入りのようだが、『WILD ARMS』シリーズのファンサイトでは、脚本などよりも音楽のほうに人気が集まっておるようだが……。 聞き手:個人的には、サントラCDで音楽が1巡しかしていないのが気に入らないのですが……。 トカ:それは贅沢な望みというものですな。まあ、ゲーム音楽好きな人間にとっては、そのような些細な問題点が大きく見えてしまうのでしょう。それがお困りならば、MIDIファイルを拾ってくればよろしい話ではありませぬか。 アンゴルモア:その通りだな。……まあ、『WILD ARMS』シリーズに問題点があるとすれば、戦闘時のエフェクト処理が『FF』シリーズ……つい最近出た『DRAGON QUEST VII』と比較しても見劣りするという1点ぐらいだな。 トカ:しかし、我輩は、グラフィックとムービー目当てに『WILD ARMS』シリーズをプレーしたことのある人間のことを、聞いたことが1回もありませぬな。これは統計学的──つまりは科学的に見て間違いの無い事実でありますぞ。 聞き手:本当に統計を取ったのでしょうか? それ以前に、『WILD ARMS』シリーズって、アニメは使ったことはあるけど、CGムービーは1回も使わなかったような── ゲー:げげー? 聞き手:……あ、いや、わ、私の独り言ですよ(ぶるぶる)。 ゲー:げー。 アンゴルモア:……で、残りの問題点──隠しボスやトラップの難易度については、もはやプレーヤーの好みの問題にしかならぬ。 トカ:非常に科学的に正しい御意見ですな。 聞き手:……で、まずはその隠しボスですが、過去の『WILD ARMS』シリーズにはこんな方々が登場していました。
アンゴルモア:実に多いな。 ゲー:げげー♪ 聞き手:このうち、私の経験から言って、「こいつは絶対に倒せそうに無い」と感じたものに赤、「特殊な戦法を使えば勝てる」と感じたものには青をつけました。 トカ:帰納的証明ですか……実に科学的でよろしい。 ゲー:げげげー。 トカ:ふむふむ……ゲーも「同感だ」と申しております。 聞き手:残りの隠しボスは、比較的低いレベルでも力技で粉砕できるんですよ。 アンゴルモア:確かにそのようだが……何をしたのかね? トカ:我輩の研究によりますれば、『WILD ARMS(1)』では、「やぎのぬいぐるみ」だけでラギュ・オ・ラギュラが倒せることが確認されておりますぞ。いやあ、危険な香りが漂うモンスターでありながら、赤子の手を捻るが如き弱さ。アンゴルモア殿も、前作ではさぞ悔しい思いをされたことでしょうなあ。 アンゴルモア:その通りだ。……全く、死亡からの自動復活が可能になるという危険なアイテムがブラックマーケットで市販されており、しかも戦闘中に自由に装備が変更できるというのは、実に危険この上ない。我輩も、前作ではやぎのぬいぐるみを99個も持った連中にやられてしまったからな……(遠い目)。 聞き手:その反省が生かされたのか、『2nd』では、やぎのぬいぐるみが市販されなくなったようですね。 ゲー:げ、げげーげーげっげげー! トカ:何? 「『2nd』でやぎのぬいぐるみを無限増殖させる方法があるという噂を聞いた」? そのような非科学的な噂、我輩は一切信じぬぞ。 ゲー:げー…………。 アンゴルモア:しかし、それでも、余を除く全てのボス敵は容易に粉砕できるようではないか。 トカ:それはアンゴルモア殿が踏み潰された小娘のせいでござろう? ゲー:げー? トカ:これは我輩が危険を犯して入手した内部資料で語られていた重大な秘密なのだが、この小娘の持つ一部の必殺技は隠しボスにも効くというらしい! 聞き手:【バリバリキャンセラー】や【スリープ】ですね。 トカ:その通り! そして、何と、あのラギュ・オ・ラギュラは【スリープ】で眠ってしまうのであったぁっ! これは何と重大な発見であろうか! 世界最強と謳われたあの魔物が眠るとは、よもや誰も思わなかったであろうっ! アンゴルモア:自分の造ったブルコギドンが機械であるはずなのに眠ってしまうという事実はどうなるのかね? トカ:あ…………そ……それは…………(硬直) ゲー:げ〜〜〜〜(--;)。 聞き手:それと付け加えるならば、ラギュ・オ・ラギュラの使う特殊攻撃は、属性の順番が「火→闇→火→闇→……」になっているので、属性防御のリングを交互に装備すれば何とかなるんですよ。途中に通常攻撃やダメージの出ない特殊攻撃が挟まりますが、それは楽に無視できます。最後には無属性の全体攻撃を使いますが、前出の属性付き攻撃よりも威力が低いので、HPが高い3人(普通はアシュレー、ブラッド、リルカ)を前に立たせれば凌ぐことができます。 アンゴルモア:それと比較すれば、余のほうが数段強いことが分かるであろう。必殺技は無属性であるからな。そして何よりも眠らない。 聞き手:はい。私がプレーした時も、ラギュ・オ・ラギュラはレベル60台で倒せたんです。でも、同じパーティーでアンゴルモア様と戦うと…… アンゴルモア:相手は眠らない上に必殺技は無属性なのでリングも無意味……。 トカ:まだ精進が足りぬ、ということですな。 ゲー:げげー。 アンゴルモア:いつ復活したのかね? トカ:つい先程のこと。今し方まで、三途の川で祖母が手を振っている姿を見ていたのだが、科学の申し子たる我輩がここでくたばるとなると、我輩を支えて下さっている100万人のファンに申し訳が立たぬ。それ故── アンゴルモア:もう良い。気味の悪い口から出る誇張された話なぞ聞きたくも無い。話を進めるぞ。 トカ:ああっ、また無視された……(T_T)言葉の暴力では、この者には叶わぬトカ……(TT_TT)。 ゲー:げー(T_T)。 トカ:やはり、インテリやくざは廃業して正解であったか……(嘆息)。 聞き手:……そ、それで、アンゴルモア様と戦うにはどれくらいのレベルが必要なのでしょうか? アンゴルモア:少なく見積もっても70以上、標準は80台だと聞き及んでおる。ただ、レベル99でも運次第では余のほうが勝ってしまうらしい。 トカ:それは大変だトカ……。 アンゴルモア:前作ではレベル60台で敵が無くなってしまったが、今回はそんなことは無い。余が最後の最後まで壁として立ちはだかるからな。心して掛かってくるが良い! トカ:でも、世界征服しに出掛ける気力は無いトカ……。 アンゴルモア:ええい、それを申すな! トカ:さて、次はもう1つの醍醐味であるとラップ。 聞き手:そうですね。このシリーズには、危険なトラップと難解なリドルが満載されていますからね。 トカ:まるで我輩の誉め言葉のようだトカ。 ゲー:げげーー♪ アンゴルモア:……それでだな、特に難解だったトラップだが……。 トカ:『(1)』では堕ちたサンクチュアリですな。爆弾を使って偽の石像を壊すというアイデア、普通は考えませぬぞ。 聞き手:あれは悩みましたね、本当に。 ゲー:げげげーげげー…… トカ:ふむ? 「ゲートジェネレイターでゼットが使ったトラップが鬱陶しかった」? それもそうでしたな。あとは、デ・レ・メタリカの宝箱を使ったリドル……これもリドルとしては非常に優れた一品。科学の申し子である我輩も、とさかを脱がねばならない気分でしたな。 聞き手:(と、「とさかを脱ぐ」ってあんた……) アンゴルモア:『2nd』ではボイスレコーダーでアンテノーラの声を盗聴しなければならないというのが曲者だったな。あとは、パスワードが正々堂々と壁に大きく書かれていたというトラップ。これも意表をついており、なかなか見応えがあったぞ。しかし、何と言っても圧巻は── トカ:ファルガイアの1週間が7日間だったという驚愕の事実! アンゴルモア:そう、あれには驚かさせたぞ。 聞き手:ええ。「まさかとは思うけどな──」と思って適当にやってみたら、本当に成功してしまったんですから。 アンゴルモア:これはどう評価すべきか難しいところだな。 トカ:それにしても、最近のRPGがダンジョンとモンスターを簡素化する傾向にある中で、この『WILD ARMS』が示した「ゲームとしてのRPGを再確認する」姿勢というのは、注目に値するトカ。他のゲームソフトメーカーも少しは見習って欲しいですな。 ゲー:げっげげー♪ アンゴルモア:しかも、脚本や演出もしっかりと練られている。セールスとして成功したかどうか分からぬが、このシリーズはRPG史上屈指の名作になるのではないかね? 聞き手:多分そうでしょうね。今のところ、私がRPGで他人に自信をもって勧められるのは、この2作品と『ドラゴンクエスト3』ぐらいですからね。実は、『WILD ARMS』シリーズについては、ストーリー面でも色々と書きたかったのですが── トカ:場所が無いトカ? 聞き手:はい。そういうわけで、この続きは第4回座談会に回したいと思います。 ゲー:げげー♪ アンゴルモア:しかし……人間は来ないのかね? 聞き手:……は? アンゴルモア:いや、化け物と蜥蜴では『華』が無いであろう? 余の姿は格好良いかもしれぬが、御世辞にも「美しい」とは言えぬだろう? トカ:何を申される!? この緑色に輝く蜥蜴の鱗と知性を感じさせるつぶらな瞳を── アンゴルモア:誰もお前に意見は求めておらぬ。 トカ:…………くっ…………くそうっ……(TT_TT)。 アンゴルモア:それで、次回、追加でゲストを連れて来てはもらえぬか? 聞き手:うーん……連絡がつくかどうかは分かりませんが、考慮はしておきますね。アンゴルモア様の願いですし。 アンゴルモア:頼むぞ。 トカ:そ、そういう我輩にも1つお願いが! 聞き手:……何でしょうか? トカ:紅茶とお茶菓子だけでは会話も弾まぬ! そこで、我輩の好物を次回には是非! 聞き手:何をお出しすれば良いのですか? トカ:カブトムシの寿司を! 聞き手:……努力はします。用意できるかどうかは分かりませんが……。 トカ:そいつはありがたい! では、我輩は研究があるのでこれにて! アデューっ!!(走り去る) ゲー:げっげー!(走り去る) 聞き手・アンゴルモア:…………………… アンゴルモア:次も大丈夫かね? 聞き手:努力はします……努力だけはね(--;)。 |